日常も非日常も人間の仕業
『エレファント』
ガス・ヴァン・サント監督(2003年 米)

『永遠の僕たち』を見てから、「この監督の映画をもっと見たい!!」が加速しているところに特集上映しているのを発見!最終日にぎりぎりセーフ。

実際に1999年にアメリカで起こったハイスクール銃乱射事件が元になっている作品だと云うのはぼんやりと覚えていたが、そんなことはどうでもよかった。
空と雲と電信柱。
いきなり好きな風景から始まるけれど、不穏な感じ。
そして、ある普通の一日が始まる。さいしょに登場するジョンにはちょっと厄介な一日の始まりだったが、そんなコトも込みで普通の一日だった筈。舞台はハイスクール。一生のうちほぼ3年だけ通う特殊な空間。いろんな子がいるのに、同じ部屋に閉じ込められて同じことをやらされる。悪く云えば閉鎖的だけど、たぶん安全な場所。そして、私が大好きだった場所。いいことばかりあったわけじゃないのに。そんな、ありふれた一日の彼らをいろんな角度から撮っている。同じことでも見方が変われば、別のことのよう。いろんな子がいろんなことをして、いろんな目に遭ってる。それでも、学校の中では見慣れた光景だ…事件が起きるお昼休み迄は。太りたくない女の子たちが食べてすぐにトイレで吐くのもいつものこと。

簡単に銃が手に入る社会が悪いか?子供に無関心の親が悪いか?くだらないことを押し付けるだけの教師が悪いか?PCで殺人ゲームをする子供たちが悪いか?彼らの小さなこだわりも、未来も、呆気なく消えてしまったけれど、それさえも当たり前みたいに世の中は迷走している、ずっと。これからも、きっと。

[2012.3.16 シネマヴェーラ渋谷にて]

2012年3月19日記