こんな大人になりました
『卵』『ミルク』
『卵』セミフ・カプランオール監督(2007年トルコ・ギリシャ)/『ミルク』セミフ・カプランオール監督(2008年トルコ・仏・ドイツ)

6歳だったユスフがのっけからおじさんなんだけど、《どう見てもユスフ》なのに吃驚してしまうのが『卵』。父ちゃんの森で泣き疲れて眠ってしまったユスフは、ちゃんと大人になってた。三本の中ではこれがいちばん好き♪半分ロードムービー(大好き♪)だからかな?久々に地元に帰るという話だからか、やけに身近にも(『蜂蜜』で既にユスフ一家にどっぷりだったから?)感じられて、「で、どうすんのよぉ?」とユスフを追う。(返事はしてくれないけど、ちゃんと動いてはくれる♪)いろんなひとに会うけれど、もう落ち着いた大人だから(若しくは、そう云う人物だから)、何があっても余り動じない・・・と想わせておいて、そうではなかった!『卵』のユスフが今の私ともいちばん年齢が近いからか?とても身につまされるし、愛おしくて***

『ミルク』のユスフは『卵』よりも年は近いのに幼い頃のユスフとは随分かけ離れた感じの、まだ何者でもない夢と不安がいっぱいの生々しいハイティーンの男子。何にも自信が持てなくて(ユスフの場合はそもそもは自信過剰なほどなんだけど、それを打ち砕く出来事が何度も起こってしまうから。)落ち込んでは闇に消え、光に消えるユスフ。不安の表れは、なにやら不穏な生き物に姿を変えても登場する。(この映画の中じゃあ、牛ですら悲しみの象徴に見えてくる・・・)ラストに出てきたデカい生き物は圧巻!不安の化身か?自信の化身か?ユスフは少し誇らしげにそれを抱えているんだけど・・・。続きが見たい~!続きは『卵』だね。じゃあ、デカい獲物は文学賞だったのかな?

今回はイッキに見てしまったけど、またの機会があれば本来の順番でゆっくり見てみたい。きっと、また違った想いも溢れてくるんだろう。って、既に『卵』の先のユスフが気になって仕方がないんだけど***

[2011.8.10 銀座テアトルシネマにて]

2011年8月19日 記