森の中で鹿と狐と烏に会ったら最期です
『アンチクライスト』
ラース・フォン・トリアー監督(2009年デンマーク=独=仏=スウェーデン=伊=ポーランド)

最近見た映画の中での出来事が身近で現実になってしまった。『ヒアアフター』(震災後は上映中止に。)の冒頭での恐ろしい津波災害、『ザ・ロード』 で痛感した普通の生活の愛おしさ…。関東全域で余震、停電、交通規制の為に休館・短縮上映する映画館が多数で、試写会は軒並み中止…普段ならあり得ないようなことが其処此処で起こっています。その直前に辛うじて見てました。

夫婦が快楽を貪り合っている間に、ヨチヨチ歩きを始めたばかりの子供がベビーベッドを抜け出して窓から転落死してしまう。痛ましい不幸な事故だ。夫婦は悲しみに暮れ、特に妻は自責の念が重過ぎて心を病んでしまい、セラピストである夫は彼女を救おうと森へ連れてゆくけれど、森は恐ろしく、ふたりを更なる窮地に追い込み、息子の転落死が事故ではなかったことが明らかになってゆく…なんて、あらすじなんかはどうでもいい映画だから書いてみました。兎に角、 怖い映画ですが、お伽話のようにも想えるし、見てあれやこれや感じることが大切な映画なんだと想いますよ。そして、ラース・フォン・トリアー監督作品の主演女優はもれなくですが…シャルロット・ゲンズブールがとんでもない過酷を強いられています。女優魂全開です。でも、夢のように美しい姿も拝めます*** 震災の衝撃只中で、映画を見て衝撃を受けると云うのも厳しい話ですが、耐えられるものなら見てみやがれ!

[2011.3.8 新宿武蔵野館(東京)にて]

2011年3月18日 記