悪いことほど魅力的。少年には誘惑がいっぱい
『少年と自転車』
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督(2011年ベルギー=仏=イタリア)

 毎度、恐ろしく冷静な眼差しで主人公を追い、彼(彼女)らから溢れ出る思いがけない熱いものや、絶望や、愚かさを容赦なく見せてくれてしまうので、その都度衝撃を喰らって、また見たくなるダルデンヌ兄弟の新作です。

 今作の主人公もサルみたいにのっけから大暴れ。「何、何?どうしたの?」と追わされるうちに少年に釘付け。毎度お馴染みのパターンだけど、少しこれ迄とは違う感じ。最後までハラハラしながら少年を見守ることにはなるのだけど、途中からは彼の里親になるサマンサと同化してしまう現象が発生。目を離すとすぐに良くない方へ向かってしまう少年に掛かりっきりのサマンサに「僕か?子供か?」と問うた恋人はサイテー。そんなくだらないことを問うようなひととはもう付き合えないわぁ…って、サマンサと一緒に幻滅したりする。そうなのよ、今回は圧倒的に強力な助っ人(真っ当な大人)サマンサの登場があたらしい風に♪どんな荒波もきっと乗り越えてくれそうです。

 しかし、映画に出てくる自転車って、どうしてこうもトラブルメーカー?絶対、盗まれるよねーっ!なんで盗むんだろう?何百台も自転車が置いてある駅の駐輪場で、なんで私のだけ消えてたりするんだろう?バイクも。永遠の謎だわ。ま、自転車には頑丈な鍵を2つ以上かけて、ゆっくりご観賞ください***絶妙の腹八分目で「満腹幸福」です♪

 [2012.4.24 ル・シネマ(渋谷)にて]

2012年5月9日 記