毎日当たり前のようにやっていることが愛おしくなる。こんな目に遭わなきゃわからないんだけれど…
『ザ・ロード』
ジョン・ヒルコート監督(2009年米)

ある日突然、世界の終りが来た。物語はその数年後の荒れ果てた世界で、ひたすら南に向かう親子を追う。
兎に角、終わってしまっている。大地は枯れ、崩壊後は自宅に蓄えているものや、廃墟と化した商店や個人宅から失敬したものを食べ尽くしたら、もうおしまい。
数少ない生き残ったひとの多くが先を憂いて自死(多くは一家心中?)していたり、食べるものがないなら人を食べればいいじゃない!と云う人喰い集団が横行する中、父親である主人公は幼い息子を守るためだけに生きているからイノチガケで奮闘するのだが…。

主役のヴィゴ・モーテンセンが必死の父を熱演。息子役の子も誰だって守ってあげたくなる健気さ全開で応える絶妙の配役。ラストに現れる者も♪
いつも危険に晒されていて、平安がない状態(人間以外の生き物には当たり前だったりもするけれど…)でどう生きるか? 壊れないで、挫けないで生き残った先には何があるのか?映画の中では平穏だった日々の思い出だけが無性に温かく、度々思い出されて余計に過酷が身に染みたりしているけれど、それに比べれ ば十分平和な現実世界ですら、過酷に潰されそうなこともある。人間って、よわい。助け合わないと生きてゆけないのに…複雑に考え過ぎて、それができなかっ たりするのも人間で…なんてコトを考えさせられてしまいます***

[2011.1.28 新橋文化劇場 にて]

2011年2月5日 記