ずっと想っていることで生きてゆける
『ノルウェイの森』
トラン・アン・ユン監督(2010年日本)

村上春樹を溺愛(現在は断絶中)しているときですら「ノルウェイの森」だけは嫌いだった。なので、映画化されると聞いても見る気はしなかったけれど、トラン・アン・ユン監督&撮影が李屏賓ならば見るしかない。

なにより直子が嫌いだったのだが、この夏に愛したひとを亡くしてからずっと、恋人に死なれて心を病んでしまった映画の中の直子と同じ状態だった私に気付いた。彼を思い出しては訳がわからなくなり処構わず泣けて困る日々。お互いに村上春樹を読んでいたことから文通が始まり、ある出来事をきっかけに彼を好きになってしまったけど、彼には既に離れられないひとがいて、遠距離フリンが始まってしまうのだけど…(とても込み入った話なので省略)この原作本が発行された年に別れたっきりだけど、ずっと想っていて、彼が死んだことを知った日の朝にも「彼に街で偶然会えたら何て云おう?」なんて、考えていたりした。

そんな訳で、もういちど読んでみようと想った。映画はとても原作を表現していると想ったけれど、23年前の記憶だから違ってるかも知れないし、嫌いなのは私が幼な過ぎたのか、他人のレンアイどころじゃなかっただけかも知れないから。

今更ながらですが、トラン・アン・ユン監督と日本の’60&70年代の相性が最高です♪彼の映画独特の空気もしっかり映っているので、冬の風景も寒さを感じさせませんが、《それもまたよし》です♪滅多に見られないレンアイ映画です。お見逃しなく***

[2010.12.15 TOHOシネマズ市川コルトンプラザ(千葉県)にて]

2010年12月16日 記