真実は訊いてみてもわからない。己で確かめるしかない!
『武侠』(邦題:捜査官X)
陳可辛(ピーター・チャン)監督(2011年 香港=中国)

山間の小さな村に暮らす父母と幼い息子ふたりの穏やかで騒々しい、おそらくはいつもの朝だった。その日、紙職人である父(甄子丹ドニー・イェン)が作業中だった出先の両替屋に凶悪犯が強盗に押し入り、事態は一変する。事件が起こってしまったので登場したのが何やら胡散臭い捜査官(金城武)、そして、 出会ってしまったふたり。この縁がウンメイだったことは最後まで見れば明白。出会い以降の内容に触れると面白くなくなるので書きませんよ。

『十月圍城(孫文の義士団)』を経ての陳可辛の新作です。冒頭のやさしい手のシーンで『甜蜜蜜(ラヴソング)』を思い出して心が震えます。この頗る面白い映画は彼の集大成なんでしょう。余りに見事だったので見終わったときに思わず泣いていて、自分でも吃驚しました。だけど、原題の『武侠』は甄子丹そのもの、邦題の『捜査官X』は金城くんが演じる役そのもので、ふたりが出会うことで始まるこの作品のタイトルにはどちらも足りなかったね。

独特の映像をつくるカメラマンがふたり参加しているからか、場面毎に全く違った画調が現れるのも面白いです。成人した村人が着ている藍染めの衣装も素敵♪この映画が見れて好かった。生きてて好かった!と想える映画にあといくつ会えるかなぁ***『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005年デイ ヴィッド・クローネンバーグ監督…2006年の“私のBest3【洋画の部】”に入ってる♪)と酷似しているんだけど、勿論『武侠』を溺愛。見比べてみるのもオススメだけど、とり急ぎ上映中なので、大きい画面で是非是非っっっ!!!

[2012.5.6 丸の内TOEIにて]

2012年5月9日 記