かよわい小鳥と、かよわい少女たちのこころ
『冬の小鳥』
ウニー・ルコント監督(2009年韓国・仏)

余りお金を持たずに大阪にいた。外にいると寒いので、水曜で千円だから映画を見ようと想ったけれど、そこで見られる公開中の「見たい映画」はもう全部見ていて、「見てもいいかな?」の中から『冬の小鳥』にした。タイトルが気になっていたし、東京では絶対千円で見られない劇場で公開していたから。

親に捨てられて、養護施設に入れられた少女が主人公。余り話さない少女の胸の内が丸見えで、切ない想いにさせられるのは、主演の少女の熱演の賜物。
やさしい大好きなお父さんが迎えに来ると信じて、鉄の門の中で待ってる彼女を小鳥に例えたのか、実際に小鳥も出てきてしまうのだけど、邦題が好い。原題(「A BRAND NEW LIFE」)よりも、映画祭で使われた仮題(「旅人」)よりも。
本当に小さな集団の中の小さな子供のこころの動きだけを見せているので、退屈と云えば退屈だけど、それ故にいろいろ考える余裕があって、たまにはいいかも 知れないと想う。終盤に『少女ムシェット』(1967年仏)を思い出させる場面が出てくるが、この映画にそれほどの悲壮はないから。捨てられて可哀想なこと以外は結構恵まれてる子供たちだから。子供を捨てるような親とは、小さいうちに別れられた方が倖せな(その施設にいる子供は温厚そうな裕福な西洋人に切望されて貰われてゆくことになってるようだ。)気がするし、碌でもない親に一生縛られたり、過酷な状況の中でそれでも生きてる子供たちを想うと、まぁ、そう云う映画ではないんだな、と想う。だったら何?と想うと、かわいい「冬の小鳥」の映画なのでした。ぬくぬく。
欲求不満むき出しの、一見怖そうな世話係のお姉さんの存在が有難かった***

[2010.10.27.梅田ガーデンシネマ(大阪)にて]

2010年11月2日 記