映像化が最も正しいと想えた映画
『乱暴と待機』
冨永昌敬監督(2010年日本)

水曜サービスデー(千円)とは云え、何?この混雑ぶりは?何目当て?本谷有希子(原作)?冨永監督の映画は『亀虫』(2003年)以来殆ど見に行ってるけど、こんなに盛況なのは初めて。(失礼?)『亀虫』からほぼずっと、極端に性格の偏った人物を登場させて、そこから発生する特異な状況を達観することなく、ほぼ本人たち目線で描き「どう想う?」と投げかけてくるから面倒くさい。でも、面白い。

今回の極端は四人。「誰にも嫌われたくない一心で己れを犠牲にして生きている女」と「一途過ぎたばかりに完全に歪んでしまった男」と、そんなふたり をよく知っていて、「そう云う人間がどうしても許せない不寛容な女」と「何にも考えず行き当たりばったりで生きている男」が出会って(再会してしまって) 発生する「あれやこれや」が見物。映画でやるのがいちばん全力でお伝えすることができるんじゃないかしら?と云う内容です。映画より前に発表された、お芝居と小説では、どうやって表現してるんでしょう?面白いのか?どうやったんだろう?
気になるけど、これ以上は追わないけど。漫画やアニメはアリだけど、それを敢えて実写でやる可笑しみも肝だから。

ま、「どう想う?」と問われたら、それもまた有意義だろうし、楽しそうでいいんじゃない?と想いますよ。ただ、「自分のことしか考えてない」って云う、ほぼ当たり前のことを執拗に責められるのは嫌だけど。
見終わるやいなや、連れとふたりで云ってしまったのは『(杉山)彦々が出てないっっ!!』でした。吃驚。彦々が出てない冨永映画なんて…

[2010.10.13 テアトル新宿(東京)にて]

2010年10月18日 記