まっすぐな想い、きっと届きます
『香港製造』(邦題:メイド・イン・ホンコン)
陳果(フルーツ・チャン)監督(1997年・香港)

「これ以上に愛おしい映画には出会えないだろう。」そう想ったら、もう映画を見にいかなくていい!と云う解放感に満ちてしまった。映画を見るのが好き。それを苦痛だなんて一度も想ったことなんかなかったのに。

それまでに見ていた香港映画とは全然違ってた。でも、そこに映っているのは紛れもない香港。希望なんか何もない、どうやってもない!そんな日々の中で出会ったふたり。それまでに持ち得なかった感情が芽生えて、互いを想い合いながら絶望へ向かってゆく***救いのない物語だけど、暗いきもちにはならない。死が終わりじゃなくて、解放であることを彼らが教えてくれるから。

かつてない想いにこころを揺さぶられたのは、勿論私だけじゃない。貰いものの古いフィルムが醸し出した思い掛けない映像、監督共々誕生してしまった明星(スター)李燦森(サム・リー。現在は李燦琛)、この映画は香港電影的にも掛け替えのない映画にもなった***よの中、捨てたもんじゃない。

さて、【解放その後】の私はテレビでやってた『ジュ・テ~ム・モワ・ノン・プリュ』(セルジュ・ゲンズブール監督)をうっかり見てしまい、まだまだ見なくちゃいけない映画がいっぱいある!と改めて気がついて、現在に至ります***

[1999.6&7 銀座テアトル西友(東京)にて]

2010年8月20日 記