かなしみにくれてしまうけど、本当にどうもありがとう
『クロエ』
利重剛監督(2001年日本)

暑くて毎日夕暮れ時の空気が重くて、いつもより余計に想い出してしまう。2002年に見た映画では断トツだった***愛しあうふたりを襲った悲劇と、ふたりにまつわる人々の物語。クロエが罹る奇病や、ファンタジーのような世界観にハマれなかったらお気の毒だけど、ハマってしまったら、もうイケナ イ。それはどっぷりと。事ある毎にクロエの世界を振り返る日々が訪れる***元になったのがボリス・ヴィアンの『日々の泡(うたかたの日々)』だと云うので、不覚にも読んでなかった私は映画を見てから速攻読んで、国境を越えて原作そっくりな世界観が意外にもそれなりに映画になってしまっていることに遅れて 感激するとともに、この小説に出会わせてくれた『クロエ』に改めて感謝したりした。(それはもう激しく!)

他でも時々云ってるけど、『クロエ』の世界に登場するカリスマ・キタノが殺されるときに、自分の心臓に刺されたガラス管から出てくる自分の血を見て 「楽しい~♪」とはしゃぎながら死んでゆく様子にすこぶる共感できて、こうありたいと想うし、私もこんな奴だろうなとしみじみ想いながら、この映画でしか 表現でき得なかったこの場面に参ってる***

いつもこころの中に大事に大事にしまってる作品だから、この映画を紹介してしまうとは想わなかったわ。あんまり暑くて、ちょっとどーかしてしまったのね~(;_;) SWも連敗中で、日々こころが乱れているからねぇ… 『クロエ』を見ると、かなしみに暮れてしまうけど、今日もどっこい生きてる よ***

[2002.7.23シアター・イメージフォーラム(東京/渋谷)にて]

2010年7月21日 記