善意がもれなく伝わることの心地好さを♥
『ル・アーブルの靴みがき』
アキ・カウリスマキ監督(2011年 フィンランド=仏=独)

来た来た!アキ・カウリスマキの新作です♪毎度、シニカル且つ絶妙の間で楽しませてくれるのですが、今作は圧倒的にやさしさでできています。

北フランスの港町ル・アーヴルにて愛妻と愛犬とともに貧しい乍らも倖せに暮らしている靴みがきの老人がある日、アフリカから不法入国して逃亡中の少年に出会ってしまい、ご近所さんも巻き込んで少年の願いを叶えてあげようと奔走するのだが…。

今回確かに、舞台はフランスで皆フランス語を喋っているんだけど、いつものヘルシンキ辺りと同じ空気で同じ色調なのに吃驚する。アキの殆どの映画に参加しているお馴染みカティ・オウティネン(彼女もフランス語を喋ってる~)とライカ犬が出てるから?聞きなれた風のナイスな音楽が流れてくるから?有無を云わさぬハッピーエンドへの導きに身を任せる。主人公の周りには気の好いひとしか出てこない。逃亡中の少年を見つけて通報するひと(は、ジャン=ピエール・レオー!気の毒だ。)は、決して間違ってないことをしてるのに悪者に見えてしまう。観客も巻き込まれているからね。

今回はかなり余裕がない時に見に行って少々不本意な観賞になってしまったので、きっと解放されているだろう(そうありますように!)2本立てになってる頃にまたゆっくり見たいと想う、愛おしい映画です***

[2012.5.21 新宿武蔵野館にて]

2012年5月24日 記